ラーメン食べようとした時に受けたインタビュー記事の写真【奴の名は轆轤廻し（ロックローラー）】

【ねもりんだより4月号内記事「あつまれ！ねもりっ子」より】 「私が嫌いなものですか？相手の都合を考えず話しかけてくる人と冷めて伸び切ったラーメンです」 【このコレクションのあらすじ】 彼の名は円録郎（まどか ろくろう）。だが、町の住民たちが彼を本名で呼ぶことは少ない。 この町にはローカル月刊誌が10種類存在する。 町の人々は口を揃えたように言った。 「毎月、半分はあいつが載ってる」と。 そう、彼はとにかく行く先々でなぜか取材を受けてしまう体質？なのだ。 彼はどこにでもいる青年である。ただちょっとお人好しなだけで、何か特別偉業を成し遂げたわけでも、億万長者なわけでもない。築47年の単身者用アパートの一室に居を構える普通の青年である。 なのになぜか記者が目ざとく彼を見つけては、突撃インタビューを繰り返す。 最低でも3誌、ひどい月だと9誌に彼が載っていた。 気の毒と言うべきか、ひとつの才能というべきか、そうして気前よく取材に答える彼から出来上がった記事がすこぶる評判がいいのだ。 「彼の言葉に救われた」「ありがとう」「草」と言った封書やメールが毎回届くくらいだ。 そして記事内で使用されている写真が毎回同じアングル、ポーズであることから、いつしか町の人々は彼を愛と敬意を込めてこう呼んだ。 『轆轤廻し（ロックローラー）』と。