《静寂の値段（The Price of Silence）》

この作品は、「言葉にされなかった感情」「発せられなかった声」「表現されなかった真実」に対する問いかけです。 一見すると何もない、あるいは意味不明な構成の中に、“沈黙”がどれほどの重みを持っているかを体感させます。 空間と構成、余白、わずかな物理的ノイズ、視覚的違和感……。 そのすべてが観る者の感受性に挑みます。 黒塗りのキャンバス（200cm × 200cm）に、1cm四方の透明なアクリル片がひとつだけ貼りつけられている。 アクリル片の裏には、ごく微細な文字で「I was here.（私はここにいた）」と手書きされている。 照明は強いスポットライト1灯のみで、周囲の空間は完全に暗くされている。