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「こんにちは。ようこそ、『異世界美術館』へ。私は館長のMと申します。当館は、異世界転生、すなわち従来住んでいた世界とは別の世界の命として生まれ変わることですが、昨今あまりにも多く増えたこの現象を整理するために作られました。」 館長Mは、ミスター・Pに挨拶をした。この日からミスター・Pは異世界美術館に勤務する事になっていた。 「初めまして。私はPと申します。前職では…えっと…あれ?何だっけな?」 彼は挨拶に詰まってしまった。 「はっはっは!ミスター・P、緊張しておるようですな。そこまで気負わなくて結構、結構。これから1つずつ教えていきますから。何せ、あなたは私が要請したことで採用が決まった期待の新人ですから。」 館長Mは穏やかに言った。 「ありがとうございます。よろしくお願いします。」 ミスター・Pは挨拶を終えると、館長室に通された。館長室には、様々な国、もとい様々な世界の美術品と思われるものが綺麗に飾られていた。ミスター・Pはそれらの中に、見覚えのある置物を見つけた。 「おや、それに見覚えが?」 「ええ。私の母国のものだと思います。」 館長Mに聞かれ、ミスター・Pは答えた。 「ピンポーン」 チャイムがなった。 「お客様が来たようですね。ミスター・P、あなたも私の横で説明を聞いていて下さい。」 2人は1人目の客のもとへ向かった。客は、真っ赤な肌に黒い角を持った男だった。ミスター・Pは異世界の人だと理解した。 「お客様、ようこそ異世界美術館へ。私は館長のMです。突然のことでわけがわからないと思いますが、まずは当館の説明をお聞き下さい。」 館長Mは異世界美術館の説明をはじめた。館長と異世界人の会話から、彼は偶然この美術館に迷い込んだらしかった。それを聞いていた。ミスター・Pは「異世界転生って、不慮の事故とか予期せぬ死とかの代替処置で行われるものじゃないのか?」と思った。 「まず、こちらは『記憶の画廊』でございます。この画廊は直線上の廊下になっており、左右に絵が展示されます。この画廊の長さは一定ではございません。観る方によって変わります。なぜなら、観る人のこれまでの歩みを映し出す画廊だからでございます。」 館長Mの説明を聞き、ミスター・Pは仕組みはわからないが面白そうだと思った。 「では、お楽しみ下さい。」 異世界の男は記憶の画廊に入っていった。 「さて、何をぼさっとしているのですか、ミスター・P。我々も彼の後に続きますよ。次の画廊の案内のタイミングを見計らうために。それに、お客様の歩んできた異世界の絵画を観られるのはこの仕事の特権ですよ。」 館長Mはにこりと笑った。ミスター・Pはわくわくしてきた。 衝撃のシュルレアリスム文学。待望の一編は袋とじにて完結。乞うご期待。
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