神話いそまるコレクション　No.4 スサノオ

わたしはイソノオ。 とあるスーパーの鮮魚で店長をやっている。 今日もせっせと魚をさばき、 お客様に美味しいお魚を提供する。 ここは海の近くのスーパーマーケット。 いつものように仕事をしていると 売り場から怒鳴り声が聴こえた。 売り場を覗き込むと、バイトの子が客と言い争っていた。 私は天叢雲剣を握り売り場へ。 するとおばさんのような犬っぽいカラーが入ったライオンみたいな髪型のおじさんに似た、小学生の面影を残したおばさんが、激おこ状態だった。 どうやら商品に不満があるらしい。 私はお客の首元に剣をちらつかせ、 なぜ激おこしているのか聞いてみた。 すると商品に不満があったわけではなかった。 実は対応していたバイトの子の母親で、バイトの子は家出中なのだと。 そう、母親はやっとこさ娘を探し出し、バイトの娘を連れて帰ろうとしていた。 バイトの子とそのおかんを落ち着かせようとしても、なかなか落ち着かない。 なので、おかんにエプロンを着せ、イカをさばいてもらうことにした。 さすがおかん、イカをうまくさばきやがる。 おかんはやがて落ち着きを取り戻し 鼻歌を歌いながらつまみ食いして ジョジョに気持ちが安定していった。 バイトの娘は売り場でポールダンスをやってもらっていた。 するとそれを見たバカな男達が集まり、魚が飛ぶように売れた。 そして娘とおかんに笑顔がもどる。 その後その親子は手を繋いで家に帰って行った。 まったく世話のかかる親子だぜ。 一安心した私も営業中に帰ってしまった。 ところが次の日、 いつものように売り場でアバンストラッシュの練習をしていると、 バイトの子が来てない事に気づく。 すると奥の方から勢いよく原付きに乗ったおばはんがこちらに向かってきた。 店内に原付きで入ってはいけない。 私は天叢雲剣を握り、構えた。 すると原付きのおばさんが目の前でとまった。 ヘルメットはしてない。 昨日のライオンみたいな髪型のおかんだった。 おかんは泣いていた。 おかんは1通の手紙を私に渡してきた。 手紙にはこう書かれていた。 「犬みたいな色の髪のおかんへ。 せっかく会えたのに、すまへん。 家にいられまへん。 私は行かなくちゃいけないの。 あのタンスみたいな臭いのする家にはいれない。 行かなくちゃいけないところがあるの。 私は長崎に行くわ。 どうか探してください。 ウォーリーを探すように。 おしずより。　」 おかんは泣きくずれていた。 長崎までいかねーし！と言いながら。 私はおかんの肩にそっと手を置き小指で肩をくすぐったのであった。 終