妖怪いそまるコレクション　No.8 青鬼

おじいさんが抱えていた青い物、 それは青鬼の子供でした。 おじいさんはおばぁさんへの怒りに満ち溢れ、ハゲ散らかりながら戦いを挑みにお家へ帰っています。 ですが、家は遠くてまだ3年はかかります。 おじいさんは色々寄り道します。 パチンコ屋、ラーメンめぐり、キャバクラ、町内会のお祭り、イオンモールなど、、、 その間青鬼は立派に育ちます。 そしてとうとう家から5分くらいのとこまで来ました。 ちょっと疲れたので、休憩。 青鬼とお弁当を食べ、キャバクラの話しで盛り上がりました。 その声があまりにもうるさく、家に居るおばぁさんの所まで聴こえました。 「じじぃが帰ってきた！黄泉の国からじじぃが帰ってきた！」と乙事主のモノマネをしました。 赤鬼はおばぁさんからじじぃの話は聞いてました。 赤鬼も早くじじぃと会いたそうにしています。 ばばぁと赤鬼は急いで玄関を開けようとしましたが、開きません。 押しても引いても開きません。 スライド扉なのをすっかり忘れてしまっていたのです。 赤鬼とばばぁはパニックになりましたが、落ち着きを取り戻し、もう一度開けようとしましたが、スライド扉にまだ気づいてない様子。 その間、じじぃと青鬼が到着します。 じじぃは扉の前で怒り狂い、歌い出しました。 おばぁさんは扉の向こうから、じじぃが何か歌ってるなとは思いましたが、小声すぎて聴こえませんでした。 じじぃはボサノバを歌っていたのです。 小声でムーディーな感じだったのでババァは聴き取れなかったのです。 「おい！じじぃ！開けろや！扉開けてー！」 ばばぁは叫びます。 じじぃはお構いなしにボサノバを歌っています。 赤鬼も「おじぃさん開けてください！こっちから開けられないのです！」 一方、青鬼は鉄球を叩きだし、じじぃとフューチャリングを始めました。 赤鬼は膝を落とし、泣き崩れ、 ババァはひたすらスライド扉を引いたり、押したりしてました。 家の台所。 ばばぁは秋刀魚を焼いてたのを忘れてました。 時すでに遅し。 秋刀魚の煙と油がはねて、 藁の家に火がついてしまいます。 火は一気に燃え上がり おばぁさん達は 「じじぃ！ボサノバはいいから！ 火事やで！玄関あけーやー！！」 その時赤鬼は必死で手に持っていた鉄の棒を振り回し 火を遠ざけようとしました。 ですがその棒がおばぁさんのお尻にあたり おばぁさんは台所まで吹き飛んでしまいます。 ばばぁはせっかくなので、秋刀魚を食べ始めました。 その時 じじぃのボサノバが歌い終わり気持ちよく扉をあけました。 みなさん バックドラフト現象はご存知だろうか。 ※バックドラフト現象 気密性の高い構造の室内で出火した火災の場合、空気不足による不完全燃焼で燃焼が緩慢になりますが、このとき不用意に開口部を開けると急激に空気が流入し、爆発的に燃えます。 これをバックドラフト現象といいます。 そう、じじぃが玄関の扉を開けた事により、 お家が大爆発を起こしたのである。 残念ながら全員天に還るという痛ましい事故が起き、この話は幕を閉じました。 検証結果　死因 ばばぁ　 秋刀魚の骨が喉に刺さったのが原因。 赤鬼　 鉄の棒を振りすぎて気持ち悪くなったのが原因。 じじぃ 歌いすぎが原因。 青鬼 金属アレルギーによるアナフィラキシーが原因。 今回は爆死ではなかったのですが、大変な結果になってしまいました。 これを読んだあなたは 今頃涙を流してると思います。 その涙をどうか忘れないで下さい。