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この地球に住む知的生命体は人間である。これは半分正解で、半分間違いといえた。テストに例えるなら部分点がもらえる解答といったところか。この星には、人間よりは個体数は少ないがそれなりの数が存在し、人間をも凌ぐ知的生命体がいた。彼らは古くからその存在が知られ、こう呼ばれていた。「妖精」と。妖精には様々な種類がいた。人間に友好的なもの、敵対心をもつもの、そもそも関わろうとしないもの。数多いるうちのある一種の妖精たちには種族として守っているルールがあった。「極力人間に見られてはならない。万が一見られた場合は、その人間の願いを叶えてやらねばならない。」そして、今まさに妖精Pは人間の子供と遭遇していた。 「おっと…やべえな。この場合ってどうすんだっけ?」 妖精Pは独り言を呟いていた。突然、妖精と出会した少年Mは面食らっていた。少年Mは10代前半で、妖精などファンタジックな存在を信じるかどうか微妙な年齢であった。彼は同年代の子供と比較して大人びた考え方をするタイプであったため、恐らく妖精など信じないだろうと思われた。少年は、ひとまず目の前にいる得体の知れない生き物を観察し始めた。そして、妖精Pが独り言を呟いた事を思い出し、言語が通じる相手かもしれないと考えて声を掛けた。 「あの…あなたは、何者でしょうか?」 少年Mは尋ねた。 「ん?あ、ああ。何かやけに丁寧な子供だな。俺は妖精だ。と言っても…信じないよな。困ったな。」 妖精Pは大人びた少年Mが自分の存在を信じず、姿を見られたらその人間の願いを叶えるという掟を守れないのではないかということを心配していた。ところが、少年Mは意外にもこう言った。 「いや、信じますよ。あなたはこうして僕の目の前にいるんだ。僕は目の前の事実はありのままに受け入れる事にしているので。」 妖精Pは「しめた!」という顔をした。 「お、本当かい?それなら話が早い!俺は今から君の願いを叶えてやる。どうだい?何を望むかい?」 衝撃のシュルレアリスム文学。待望の一編は袋とじにて完結。乞うご期待。
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