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それはN星に突然現れた。だが、それがなぜ現れたのかを知るには、順を追って経緯を見る必要がある。遡ること一月。N星はF星人のターゲットとなっていた。F星人は、彼らの銀河系随一の科学力を武器に様々な星を植民地化する民族であった。対するN星人は銀河系の中でも科学技術が遅れている民族であった。戦力差は圧倒的だった。だが、その戦力差とは裏腹に、F星人によるN星侵略は難航していた。その原因はN星人の個の戦闘力の高さにあった。彼らは鋼鉄の刃物を振り回しながら駆け回り、F星人が誇る最新鋭の兵器を撃墜して回った。死をも恐れぬ彼らは奪った敵の船で突撃を仕掛けた。N星人の突撃戦法が母艦をかすめた時は、流石のF星人たちも肝を冷やした。F星人たちのN星侵略は少しずつ前進はしているものの、当初の予定の10倍の死傷者を出していた。これは、F星人にとって由々しき事態であった。彼らは攻撃を中断し、緊急の軍事会議を開いた。 「おい、なぜ我々の科学力をもってして未だ辺境の野蛮人どもを制圧できずにいる?」 「やつら個人の力が我々の想定を遥かに上回っていたためでしょう。すぐに軍事シミュレーターで計算し直しましょう。」 「そうだとしてもだ、部隊長。我々の圧倒的装備を見ても怯まないとはどういうことだ?やつらは馬鹿なのか?」 「当たらずも遠からずと言ったところでしょうか。やつらは兵力という概念を持たないのではないかと。やつらは数の計算をしない。本当に全滅するまで戦う気では?」 「それでは困るだろ!我々の目的は植民地化だぞ!全滅されては労働力はどうなる?」 「恐れながら将軍、部隊長。彼らは全くの無知ではないかと。我らの船を奪って操縦するというのは、知能がなくてはできないことだと考えます。彼らが死をも恐れない理由は彼らの文化にあるのではないかと私は思います。逆に言えば、彼らの文化を知れば攻略の糸口が見つかるかもしれません。」 声を上げたのはF星人の兵士Pであった。 「P隊員か。面白い意見だ。一理ある。彼に作戦を立てさせてみるのはどうだろう?」 将軍の一言で、兵士PはN星侵略戦争の作戦を一任された。それから彼はN星文化を調べた。 「将軍。N星人は神というものを信じるそうです。」 「何だそれは?」 兵士Pの報告にF星軍人たちは質問した。彼らは神という概念を持たない種族なのだ。兵士Pは神について説明した。 「どうでしょう、神なるものに扮して懐柔するというのは。」 兵士Pのこの一言で、N星に神が現れることになった。 衝撃のシュルレアリスム文学。待望の一編は袋とじにて完結。乞うご期待。
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