Infinite Alchemy M "Valus M"-無限の錬金術師"ヴァルス・メルト"-#49

Infinite Alchemy Magician"Valus Melt"-無限（ゼロ）の錬金術師"ヴァルス・メルト"- 本名：ガルレイン・エヴァン ある男の存在を継承させるための"器"として誕生した、幾人もの魔力と魂力を糧に造られた実験体のうちの1体。 過酷な実験漬けの日々を送るも、一人の少女のおかげで施設から逃げ出し、エルーカ皇国メルト領の街、ガロンにたどり着き、そこで老婆に保護される。 老婆こと現メルト家領主の母、エスティーナ・メルトは、ガルレイン・エヴァンと名乗る見すぼらしい姿の孤児に愛情を注いで時を共にした。 しかし、エルーカ皇国が児童に対して行う魔力検査において、ガルレインは確認されている6属性を全て宿していることが判明する。 通常人族は、1種のみか、多くても2種の属性を宿す事が確認されているが、6種などあり得ない。さらに驚くべきことに、宿すことはできないとされている「闇属性」が確認された事だ。仮に人族が宿すことになれば、闇属性に対して無防備な魂力はあっという間にダメージを受けてしまう。 極め付けは、その時点での魔力の総量が測定不能なほどであることなど、通常では考えられない多くの事実が判明する。 これはもちろん彼の出生による影響なのだが、誰も知る由はない。 この事が公になれば間違いなく事件になり、ガルレインの将来とメルト家がつぶされかねない。また、闇属性が心身に与える影響も無視できない。 そのことを危惧したエスティーナ・メルトは、ガルレインを正式な養子に迎え入れて匿うと共に、メルト家に連なるすべての者に、ガルレインに関する情報を、口外禁止とさせた上でメルト家存続をかけて彼にある儀式を行う。 それは、聖印を所持している者たちを中心としてメルト家総出で行う大掛かりなものであった。 この儀式のおかげで、闇属性をガルレイン自身やその周囲に影響を及ぼさない程度にまで抑えることに成功する。 以降、ガルレイン・エヴァンは、ヴァルス・メルトとして、養父カルルス・メルト伯爵ら一族の期待と愛情を受けて成長していく。 時は経ち。 世間での、いわゆる天才錬金魔術師、奇跡の錬金魔術師とは彼のことを指すようになった。 とある戦争で武勲を上げ、英雄の一人として称えられるようにもなった。 またある街では、物乞いの幼い少女を保護し、亡くした母を恋しがり泣く彼女に、小さな練成獣を与えもした。 彼の不器用な愛情が少女に伝わったかどうかはわからない。 しかし、彼が少女を救うために選んだ行動が、運命に抗う者達を導く”扉”となり、力強く歩むべき”道”を指し示すことになった。