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とある星のとある時代、とある国は歴史の転換点にあった。何百年と続いた王政の崩壊と共に社会の秩序も崩れ去った。国中の街という街は無法地帯と化しており、弱肉強食が唯一のルールであった。この国で生き残る術は強くあることだけ。誰もがその手に武器を持ち、明日を生きるために今日人を殺す。そんなこの世の地獄を生き抜く1人の男。名をミスター・Pといった。彼は、王政を崩壊に導いた革命戦士でもなければ、最後まで王政に忠義を尽くした王宮騎士でもなかった。ミスター・Pはどこにも属さない一介の剣士であった。しかし、その剣腕は数多の革命戦士や王宮騎士を差し置いて最強と言わしめた。彼の烈風が如き剣技は一振りで数人を斬り、一駆けで十数人を葬った。だが、ミスター・Pは自ら進んで人を斬ることはなかった。彼が剣を振るうのは、剣士ではないのに武器を握らなければならない弱者を助けるときと自らに降りかかる火の粉を払うときだけであった。そんな高潔な生き方を貫く彼は、当然の如く力を持たない一般市民たちのヒーローになっていた。その一方で、滅びた王政側の王宮騎士や滅ぼした側の革命戦士たちからは何かに付けて命を狙われていた。そして、このときもまさに王宮騎士の残党に刃を向けられていた。 「お前、ミスター・Pだな?お前は我々の仲間を数多く斬った。その命、もらい受ける!」 王宮騎士は過去にミスター・Pに斬られた仲間たちの仇討ちにきたようであった。 「前にきたやつも同じ台詞を吐いたな。きりがない。お前ら、逆恨みって言葉を知ってるか?」 ミスター・Pが王宮騎士に決まって吐く台詞だった。 「心配するな。ここでお前は死ぬ。今日で最後だ。」 これも王宮騎士がミスター・Pに決まって吐く台詞であった。そして、勝負の結果も決まっている。ミスター・Pはこの王宮騎士を斬り伏せ、颯爽と立ち去った。彼はその後も数人の王宮騎士、革命戦士に襲われた。王宮騎士は先程倒した者と同じ理由、革命戦士は己の力を誇示するためにという理由での襲撃だった。だが、ミスター・Pはことごとく彼らを返り討ちにした。これが彼の日常であった。 衝撃のシュルレアリスム文学。待望の一編は袋とじにて完結。乞うご期待。
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