「2.3.5.5の妖怪」No.2

やばい！終電に間に合わない！ 駅のホームに着いた時には最終電車が発車した直後だった。 会社の飲み会でハメを外しすぎた。 ベンチに座り、何も考えれず呆然としていた。 すると、ホームの奥から鳥という事に自信に満ち溢れた駅員さんに声をかけられた。 駅員:先程の電車が終電となります。 しずえ:わかりました、今移動します。 駅員:あの〜もしよろしければですが、この後滅多に見れない珍しい電車がここの駅で停まります。 見ていきませんか？ しずA:えっ？あたす、特に電車には興味なくて、別にいいかな〜、、 駅員:その電車にはあなたの大事な方が乗車されてますよ。 しずえ:えっどういう事ですか？ もしかしてナンパですか？そういうの大歓迎です。 駅員:ちがいます。 お時間は取らせません。あと2分程で反対側のホームに到着します。 　 しずえはナンパされたと思い、ドキドキしながら待ってみる事にした。 すると2分後、遠くからライトが見え、本当に電車が来た。 その電車は薄く多彩な光を放ち、煙がかっていた。よく見ると電車の名前が、あのYO!このYO!と書かれていた。 パーティーピーポーの電車かと思い、みんなユーロビート好きな客しかいないのかと思うくらいの派手さ。 しずえはディスコしか知らないのでドキドキしていた。 すると電車から1人のおじさんみたいな野郎が降りてきた。 パーティーピーポーが降りてくるかと思ったら、中年のおじさんだった。 そのおじさんは反対側のホームに立つとこちらを見つめてきた。 しずえは目を疑った。一度コンタクトを外し、目を擦り、もう一度コンタクトを入れてそのおじさんをよく見た。 しずえ:お父さん、、！？ おとんやんけ！なんでや！ そこに現れたのは10年以上前に亡くなった父親だった。 すると駅員が横歩きでしずえに近づいてきた。 駅員:そう、今は亡きあなたのおとんです。おとんと話したいですか？ しずえ:話したい！話したいです！！ しずえの感情が複雑に交差し震えていた。 駅員:会話をするにはルールがあります。耳の穴かっぽじって良く聞いてください。2回までしか言いません。 しずえ:わかりました。 駅員:ではルールの説明を致します。 ひとーつ！ 私に、あなたのお父さんとの思い出の品を２つ渡してください。 ふたーつ！ お父さんとの会話が終わったあと、あなたからお父さんとの思い出の記憶を３つ頂きます。 みーっつ！ 会話できる時間は5分です。 よーっつ！ 会話は5回までしかできません。 それと、会話はあなたからスタートしてください。相手の返答もカウントに入ります。 これが、「2.3.5.5のルールです。」 約束できますか？ しずえ:思い出の物と記憶がなくなるのか、、わかりました、早くお父さんと話させてください！ しずえはまず駅員に、いつも大事に持ち歩いてた父親の形見のコレクションであるグラビアのDVDと 有名な野球選手が写っている下敷きを駅員に渡した。 駅員:念の為、指切りげんまんやっておきますか？ しずえ:セクハラ駅員か！やらないわ！焼き鳥にしてサラリーマンの口に突っ込んでやろうか！ 駅員:ふふっ、ゾクゾクするお言葉、ありがとうございます。 ゴホンッ、それでは気を鳥直して！ 準備はできましたか？ しずえ:はい！ 駅員: それでは素敵な5分間をお楽しみください、、、では！スターートォ！！ 駅員は時計を持っていないため、指を使って時間を計りだした。 後編へと続く。