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X023年、人類の富裕層は地上を離れて雲の上に生活拠点を移していた。Y000年代に開発されて目覚ましい発展を遂げた反重力装置が大規模都市の空中浮遊を可能にしていた。反重力装置の動力源は何か。それは、超高効率ソーラーパネルによる発電であった。このソーラーパネルは空中都市と非常に相性が良かった。空中都市は常に雲の上に位置するため、日中十分に太陽光を吸収することができた。この充電で空中都市は昼夜の飛行と人々の生活に必要な電気をまかなっていた。また、人類の空中都市生活を可能にしたもう1つの発明が紫外線防御装置であった。これもY000年代に開発されたものであり、文字通り紫外線をカットすることができた。この装置により、人類は地上よりも高い場所にありながら地上よりも微量の紫外線を浴びるだけにとどまっていた。空中都市に暮らす少年Nは父にこう尋ねた。 「ねえ、パパ。この雲の下ってどうなっているの?」 「そうだな、N。下にはびっくりするような大きさの植物と人間よりも賢くない動物たちがたくさんいるんだよ。でも、そんな植物も動物も俺たち人間に感謝してるはずだぞ。」 「何で?」 「N、いいかい?俺たちのうんちやおしっこが雲の下に捨てられて、植物の栄養となる。そうすると植物が大きく育ち、それを食べる草食動物は餌が増えてどんどん数が増えるんだ。そうすると今度はそれを食べる肉食動物が増えるってわけさ。」 「すごいね!雲の下を豊かにして、まるで神様だ!」 「ははは。そうだな、人間は今や神様のようだな。雲の上に住んで、他の生き物たちとともに繁栄する。地球の生き物たちの王様かもな。」 空中都市の人々は皆、少年Nやその父のように考えていた。 衝撃のシュルレアリスム文学。待望の一編は袋とじにて完結。乞うご期待。
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