馬郎婦観世音菩薩（26/33）

婦女の身を現わし、天衣をつけ、両手を重ねて立つ姿を示している。馬氏の郎の婦人となった化身であ り、観音様の変現する迹相とされる。 仏様は通常性別がありませんが、女性とハッキリしている仏様です。 　人の心を開き教え諭すため、妙麗な婦人となった観音様です。中国の伝説より生じた観音。馬氏の妻に応現した観音の意で、妄念や煩悩にとらわれて仏教を信じない凡愚の人の心を開き教え諭してくださる、という観音であります。鎌倉時代にすでに信仰されていました。馬郎婦は『観音経』の婦女身のことです。 　唐の時代、馬という青年は多くの若者と争った末、絶世の美女を妻としました。ですが妻は式当日に急死。死骸は見る影もなく、人々はそこで容色にとらわれる愚かさを悟ったといいます。この馬の妻こそが観音様だったのです。