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【CC(CosmicCensorship) Prototype】 ポートレートから派生したコレクションです。 最初はただ友達が欲しくてロボットを作っていた博士ですが、O木さんという助手がやってきて、町の人々と交流するうちに、次第にクリプトシアンを友情の証として開発していくようになりました。O木さんこそが友人だと気づいた博士は、地下研究室の天井に描いた青空にちなんで付けた名前に、一文字足しました。cryptOcyanのOはO木さんのオーです。 【第50話】 ある日、プライベートアカウントに俺の承認なしでフォロワーが付いた。 『@O_ki』 プロフィールページを覗いてみると、なんのことはない、よくある適当なのたまいと時々挟まれる「のたまい借り」で溢れてた。遡ってまで読もうとも思わなかったので1、2回軽くスクロールして閉じた。鍵付きにしていたのにどうやってフォローしたのかと巡らせて、すぐに思い至った。 「なあ、1号」 モニターから目は離さず、声をかけるが、返事がない。無視を覚えたようで、いい成長なんだがちょっとムッとするなあ。 「君だろ。鍵外したの」 またもや無視。俺は1号機に目を向けた。 1号機は、ただ中空を見つめ、微動だにしない。まるで電源を落としているかのようだ。人間の骨格に若干の丸みを帯びさせただけの内骨格剥き出しのフォルムは、夜中に出くわすとまあまあの恐怖を覚えるかもしれない。しかしある程度の光源の元だと、その丸みや無害そうな造りが1号機特有の愛嬌に拍車をかけていて、町の人々からはなかなかの好感を持たれて歓迎されている。「Hair Studio Scribble」店長の伴さんなんて、時々助手としてこいつを連れていく。世界中から集めた情報と、一線で活躍する話術に長けたタレントの語り口調などを次々と学習し、客を飽きさせない話題とトークで大人気なんだそうだ。そういえば頓宮(とんぐう)さんとこの結婚式では、司会進行役で呼ばれていた。俺は呼ばれてないのに。 めぐらせているとだんだん腹が立ってきた。 面倒だが、重石が乗ったような腰を持ち上げる。もう何時間も座りっぱなしだったので、腰椎のひとつひとつが擦り切れるような軋みをおぼえた。一歩一歩、1号機との距離を詰めていく。 なあ、ともう一度声をかける。返事は期待していない。気にせず続ける。 「このオーキというユーザーに何かあるのか?」 1号機の耳介が開く音。ノイキャンしていたとは。そして俺の声がノイズ扱い・・・。 「いつもはこんなことしないじゃないか」 [気になる情報を掴みましタ] 「気になるとは随分人間的になってきたな。本当にどうなってるんだ。」 俺は確かにこのロボットを造ったが、こいつについて何も知らないことを自覚している。中枢にあるのは完全なブラックボックス。有機物なのか無機物なのかも良く分からないようなものを、神経系を司る回路に近いところに組み込むように「書かれていた」のをそのまま実行しただけだ。 大昔にこの神社に祀られるようになったという青い石「アボイタカラ」と大量の和綴の文書。文書の題箋は掠れて読めなくなっていたが、内容は綺麗なものだった。と、言っても一見すると日記のようなことがつらつらと書かれているだけだった。途中までは。 (袋とじへ続く)
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