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第三話「美少女吸血鬼は合コンに誘われたい」
「だからさぁ・・・一回でいいから参加して欲しいんだってばぁ!」
昼休みの学生食堂、
学生たちに安く食事を取れるよう学園が運営しているバッフェ形式のレストラン&カフェテリアである。
厨房で調理されたものだけでなく有名なレストランやファストフードチェーンもここに出店している。
OBの有名建築家が設計した内装はホテルのレストランと見間違えるほどの豪奢さで、著名人が貸切でプライベートなパーティを行うこともしばしばあると言う。
午前の講義を終え、ナディアは橙子と話があるから、と紗姫にランチのトレーを取ってきてもらうように頼み、橙子と合流した。
ナディアは橙子から昼休みに話があると声をかけられていたので一緒に昼食を取ることにしていたのだ。
学生たちの賑やかな会話の中、蓜島橙子の声が弱々しくナディアの耳に聞こえてくる。
「参加と言われても私と紗姫はまだ未成年だぞ?」
「大丈夫大丈夫、なんでも経験だってば!」
「だが紗姫がなんと言うかなぁ、アイツはこの私がそばにいないとからっきしだからなぁ、うんうん、」
「誰がからっきしなんですか?」
2人分のランチを取りに行っていた紗姫が二人の席に戻ってきた。
「ちわ!藍澤さん、今日も綺麗だねぇ!」
「からかわないでください蓜島さん!」
「橙子のいう通りだぞ紗姫、お前は綺麗だ、綺麗というより美しいというべきか、そうだな喩えていうなら・・・」
「・・・」
「言うなら・・・」
「・・・」
「なら・・・」
「浮かんでこないなら喩えないでください!」
「アハハハハハ!全く、あんたたち2人は仲がいいよな!いつでも一緒にいるし仲良く喋っていたかと思ったら、今みたいに藍澤さんがナディアのことを言葉責めしてるし」
「責めてません!」
「紗姫はな・・・毎晩毎晩私のことを責めるんじゃよ、『いつまでグズグズやってるのこの役立たずの貧乳娘!そんなんじゃいつまで経っても私の様なダイナマイトボディになれないわね、おーっほっほっほっほ・・・』って!紗姫!やめろ、」
「ナディアさんはほんっとに!・・・お話を作るのがお上手ですね!」
紗姫はナディアのこめかみを拳で押さえつけながら、
「そんなこと妄想する暇があるなら課題くらい余裕でできますよね!!」
「なんだよナディアはまた課題すっぽかしたのかよー?」
「すっぽかしたのではない!謎の組織が私の記憶を操作して先週の課題なんてなかったと思い込まされていたのだ!」
「謎の組織とやらのやることが小さすぎます!」
「まぁまぁ、続きは家でやってもらうとして・・・話を戻すんだけどさぁ」
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